安井かずみさんのセンスの真髄は、「ちゃんと真似る」ことにあると思う。
「サガンは何気ない絹のシャツを着て、袖を少しまくっていた。もちろんすぐ真似た。ドルレアックはシャンプーしたての髪をただブラッシングしただけという自然な髪を風にゆらしていた。私は以来、美容院で髪をセットすることは決してなかった。
それらパリの女たちの身のこなし、仕草、雰囲気、話し方、そのときどきのドレスの着方選び方をつぶさに見た、真似た」
素敵だと思ったら真似る、もはや「盗む」と言ってもいいレベルで。
自分の理想に貪欲に。
でも、真似が得意な人というのは、自分自身を認めきれていない人でもあると思う。
本当はこうなりたい、という欲望こそが、真似する力の根源であるから。
理想を追いかけるエネルギーの芯は、心もとない自信のなさだったりする。
かわいらしく弱いひとだったと思うのは、本人はそのような評価は不本意だろうけれど。
洗練された大人の女性の真似をした、背伸びした少女なのだろうと思う。



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