「いずれにせよ、この熱帯魚たち、みんなとても獰猛だ。美しいと感じたものを、ピラニアのように喰い尽くす。そのために、精神も肉体も凡人の十倍くらいタフだ。そして十倍くらいデリケートでもある。それでもなお、彼女たちが現代の旗手であることはまちがいない事実なのだ。コシノさんの服や、安井さんの「肩をぬらして」という歌、等々のおかげで、世の中はずいぶんと楽しいではないか」
「安井かずみがいた時代」
獰猛などという表現を、されたことのある女性が何人いるだろう。
私は体力のある人が好き。羨ましい。
土日はぐったりと一日中横になってだらだらしている私のような人間もいれば、
獰猛なピラニアと呼ばれるほど人と関わり続け、その関わりを養分に発展し続ける人種もいるのだ。
人間、自分と同じカテゴリーの相手には嫉妬したり、競争心を燃やしたりするけれど、かけ離れた人にはもはや憧れるしかない。
美しいものを喰らい尽くす過程では、きっと傷つく瞬間もあっただろうし、十倍くらいデリケートな彼女たちは傷だらけになっただろう。
でも、その傷すら自分を縁取るアクセサリーにして、またひらひらと泳ぎ尽くしたんだろう。



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