森下典子

つるまないひと

塩瀬の帯のお太鼓を見せて、先頭に座っていた六十代の女性が、老眼鏡を外しながら、後ろにいた私たちをふりかえった。 ...
桜庭一樹

お嬢様の骨太な決意

「あのな、万葉」 「なにさ」 「丈夫で、働きもんで、みっともない男を、わし、選んだよ」 「...
中村汀女

ゆで卵をむく女性の指の清潔さ

ゆで玉子むけばかがやく花曇(はなぐもり) (中村汀女) 完璧なゆでたまご この俳句は、俳人の中村...
三浦瑠麗

本当の強さと、女性らしい見た目と

なぜ率直に語ってしまうのか。 それは、社会的な鋳型としての女らしさにはまらずに、同時に自分の持つ女らしさを些か...
森下典子

普通なのにすごい人

「武田のおばさん」は、中年女性が集団になった時に発するキンキンした甲高い声で話すことがなかったし、おばさん特有の何か...
森茉莉

森茉莉、手紙魔

それでこのごろは「腎不全と心不全のタニザキさんと五つ違ひだよ、冗談ぢゃないよ」と心の中でこぼしこぼし、重いゴミのバケ...
桜庭一樹

昔はよかった、とは言わないけれど、あこがれをもって夢想することはあるということ

「兄じゃは女みたいにきれいじゃから、心配じゃ。女みたいにきれいな男ってことは、わかるか、女みたいに弱いってこ...
宮尾登美子

生まれる時代を間違えたひと

苦しいときはこの人に甘えるのがいちばんで、まず美耶を押しつけておいて、「お母さん、うちしんどい」と訴えれば、喜和はす...
安井かずみ

作詞ってボールペンと紙さえあれば書けるから

鏡台の前や、お茶を飲んだ後のテーブルの上でさらさらと詩を書き上げると、Aに向かって少し自嘲気味に言ったという。 「私の...
武田百合子

【くつろぐ大型犬のような】眼鏡のような本

庭はあざみの盛り。 花子の部屋の窓下に、小さなかたまりがある。 犬は来るなり匂いを嗅いだがくわえもしない...
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